ラジオ・ラジカセミニ博物館
SHARP GF-919の修理 Part2
標準メンテナンス+故障部品の交換と修理+カセットホルダー補修+スピーカー塗装+丸洗い
修理完了した、
THE SEARCHER-W 919
修理未経験者や初級者向けの細かい工程の説明はしていません、
基礎知識があり修理経験豊富な方が修理してください。
万一修理を失敗しても、自己責任でお願いいたします。
★修理専門業者ではないので、修理依頼はお受けしていません★
GF-919は、GF-909との色違いで、基本的に同じです。 修理依頼品で、最初の状態は汚れていて右側からの音が出ませんでした。 カセット部は未チェックです。 |
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故障症状 | スイッチ・ボリューム接触不良 | ||
診断症状 | スイッチ・ボリューム接触不良、録音/再生カセットの動作不良 | ||
処置内容 | 音量、バランス、バス、トレブル、テープフェーダー、マイクフェーダー、エコーの各ボリュームの分解・清掃・接点改質剤塗布。 カセットメカのスイッチの接点洗浄と接点改質剤塗布。 内部の取り外せるコネクターと、ヒューズの接点洗浄と接点改質剤塗布。 電源スイッチの補修と接点洗浄と接点改質剤塗布。 AC電源端子の接点洗浄と接点改質剤塗布。 DC端子の接点洗浄と接点復活剤塗布。 スーパーウーハーのボリューム、ヘッドホン端子、マイク端子、リモート端子、外部スピーカー端子・ラインイン・フォノ端子、 ラインアウト端子の接点洗浄剤と接点復活剤塗布。 録音/再生切換スイッチ、切換スイッチ、録音切換、テープ編集、テープ切換、ノイズリダクション、メーター/照明、 FMモード/ミュート、バンド切換、ミキシング、ラウドネス、ビートキャンセル、ライン/レコード切換の各スイッチと 録音ボリュームの接点洗浄剤塗布と接点復活剤塗布。 スピーカーの清掃と塗装。 アンテナ端子、アース端子のさび落としと接点洗浄と接点復活剤塗布 電池端子・ロッドアンテナのクリーニング後の接点洗浄と接点復活剤塗布。 ピンチローラーとゴムベルト交換。 録音/再生側のモーターとインダクタとトランジスターの交換。 テープスピード・アジマス調整。 カセットメカ駆動部と走行系清掃。 カセットホルダー補修とグリス塗布 ラジオの受信周波数調整と感度調整。 ステレオ復調回路調整。 レベルメーター調整。 本体分解洗浄による清掃。 |
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カセット部の修理 | |||
録音側のポーズボタンのマイクロスイッチです。 これは折れていませんでした。 SHARP GF-909の修理へリンク |
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折れていた場合は、千石電商で売っているマイクロスイッチが使用できます。 | |||
基板のマイクロスイッチの接点を磨きます。 接点が見えないマイクロスイッチを取り外しました。 |
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こちらの接点が見えないマイクロスイッチも取り外しました。 | |||
取り外した、マイクロスイッチの接点を磨きます。 接点を磨いた後、接点改質剤 “SETTEN” No.1を塗りました。 |
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プッシュスイッチも分解して、接点を磨きます。 | |||
外したプッシュスイッチの接点バネです。 こちらも磨きます。 接点を磨いた後、接点改質剤 “SETTEN” No.1を塗りました。 |
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外したマイクロスイッチを元通りハンダ付けしました。 そばのトランジスターが変です。 焦げて割れています。 |
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取り外しました。 基板と配線の一部が焦げています。 |
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見事に壊れていますので、交換です。 このトランジスターは、このときは現行品ですので秋葉原でも入手できました。 |
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秋葉原で買ってきた2SD471に交換しました。 | |||
左の写真は録音側のモーターにつながっているインダクタのL702です。 焦げていますが、テスターでチェックしたところ導通はしましたが、交換した方がよいです。 右の写真は、再生側のモーターにつながっているインダクタのL701です。 |
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仮組みをして動作テストをしたところ、録音側のモーターは動きませんでした。 どうやらモーターが故障しているようです。 トランジスターが壊れたり、コイルが焦げた原因はモーターの故障でした。 何らかの原因で壊れて、過電流が流れてトランジスターが壊れたのかもしれません。 手持ちのモーターで仮組みをしてテストします。 同じ形のモーターでも回転方向が違うのがあるので、電池で回転方向を確認してから取り付けます。 壊れたモーターの軸を持って、手で回してみると滑らかに回りません。 電池を接続しても回転しないので、壊れているようです。 |
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部品取りからモーターとインダクタを取り出します。 モーターの軸を手で回すと、壊れたモーターと同じ感覚の引っかかりのような振動があるので こういうものだと思います。 低い電圧でチェックしましたので回りませんでした。 念のため2個取り出しました。 |
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モーターとインダクタを交換します。 平ベルトは、モーターのプーリが入るところに、引っ掛けて固定する樹脂製の突起に掛けておきます。 モーターの付いた金属プレートを取り付けたあとに、樹脂製の突起からゴムベルトをずらしてモーターのプーリに引っ掛けます。 |
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壊れたモーターの故障原因を調べます。 金属の裏蓋を開けます。 |
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何か焦げています。 | |||
基板とモーターの端子を接続しているはんだを吸い取り、基板を取り外します。 トランジスターらしいものとコンデンサーとインダクタが焦げています。 モーター自体は電池を接続してテストしたところ、回りましたのでモーター自体は壊れていないようです。 基板のサーボ回路が、何らかの原因で壊れたようです。 基板自体は使えそうなので、電子部品を交換すれば直るかもしれません。 このような故障の場合、モーターの交換が出来ない場合は、たぶん電子部品の交換で直すことが出来ると思います。 |
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電源スイッチの修理 | |||
電源スイッチの軸が折れてグラついています。 | |||
LEDとマイクロスイッチのハンダを吸い取り、基板を取り外します。 | |||
分解しました。 銀色のレバーの左側に折れた軸があります。 |
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接着剤では強度不足になりそうです。 | |||
折れた軸部分に、2mmのドリルで穴を開けます。 | |||
2mmのネジを軸にして取り付けます。 | |||
電源スイッチの、マイクロスイッチのバネをはずして接点を磨きます。 接点を磨いた後、接点改質剤 “SETTEN” No.1を塗りました。 |
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ネジが外れないように、ネジ止め剤を塗り元通り組み立てます。 | |||
ボリューム部の修理 | |||
このシリーズの特徴の故障症状です。 右側の音が出なくなりました。 ほとんどがボリュームの接触不良です。 |
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音量 バランス バス トレブル テープフェーダー マイクフェーダー エコーです。 分解して真っ黒になっている接点を磨きます。 接点を磨いた後、接点改質剤 “SETTEN” No.1を塗りました。 |
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録音ボリュームのナット取り外します。 ボックスレンチという工具で取り外します。 ナットを取り外すと、基板を後ろから外せます。 |
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カセットホルダーの取り外し方 | |||
カセットホルダーの裏側です。 カセットホルダーが開いた時の左右のストッパーの爪を 内側にずらします。 |
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爪を内側へずらすとカセットホルダーが水平になります。 水平に引き出すと外れます。 写真の右方向です。 透明の窓は外してあります。 |
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どちらの樹脂部分も、磨り減っています。 |
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カセットホルダーの透明パネルは上へスライドさせると外せます。 カセッホルダーの裏側に爪があります。 カセットガイド (カセットの押さえ板)を外すには、ばねを矢印方向に外すと取り外せます。 分解して奇麗に磨きます。 |
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メッキ部分の再生と録音などの文字は、 剥がれ易いので擦らないように気をつけてください。 |
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カセットホルダーの修理 | |||
カセットホルダーが磨耗により開閉しにくくなる故障の修理に挑戦。 |
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カセットホルダーと本体側の磨耗部分にプラリペアを塗って、硬化後に削って形を整えます。 大変細かい根気のいる作業ですが、少しづつ削りながら調整します。 可動部分にグリスを塗って、カセットホルダーを取り付けます。 カセットホルダーの上面が当たらなくなりスムーズに開閉できるようになります。 |
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AC電源基板の修理 | |||
AC電源基板を外します。 ヒューズを外し、接点を磨き接点改質剤 “SETTEN” No.1を塗ります。 電池の端子も磨きます。 |
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AC電源端子を取り外します。 AC電源端子には、外部DC電源端子の切換接点が組み込まれています。 分解して接点を磨き、接点改質剤 “SETTEN” No.1を塗ります。 外部DC端子は、乾電池との切換接点が組み込まれていますが、分解できないので接点洗浄剤と接点復活剤処理になります。 |
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スピーカー部 | |||
スピーカーを墨汁で塗装しました。 |
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各部調整 |
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写真左 オーディオ基板の表 写真右 オーディオ基板の裏 チューナー基板の隣です。 ●レベルメーター感度調整● 1. 電圧計をプリアンププリント基板上の抵抗(R453またはR454)の両端に接続する。 2. 切換スイッチをテープ、録音切換スイッチを手動にする。 3. バイアス発振コイル(L801)の1次側(4番と6番端子)を短絡し、バイアス発振を停止させる。 ★バイアス発振コイルは、ビートキャンセルスイッチのそばにある筒状の部品。 4. 低周波発信器を外部マイク端子、ライン入力/レコードプレーヤー端子、ミキシングマイク端子等の録音入力端子に接続し、 発振周波数1kHzの信号を加え、録音状態にする。 ★外部マイク端子から信号を加える場合は、左右チャンネルにプラグを接続してください。 5. 電圧計の指示値が3.16mVになるように、録音レベル調整ツマミを調整する。 6. この時、レベルメーターの指針が0VUの位置になるように可変抵抗(R105またはR106)を調整する。 今回は、0VU録音された基準テープの再生レベルが、0VUを示すように調整しました。 ラインからも1kHzの基準信号をいれて、左右のメーターのバランスを調整しました。 最初は、音量の大きいラジオ受信でメーターが振り切っていましたが、適正レベルになりました。 右のメーターが+3VU以上は上がらないようで、メーターが不調かもしれませんが、通常の音声レベルの範囲は問題ないようです。 ●バッテリーメーターの感度調整● 1. 定電圧電源(DC15V)を電池端子に接続する。 2. 切換スイッチをテープにする。 3. 再生状態にする。この時メーター切換スイッチを同調/電池の位置にする。 4. 定電圧電源の電圧をゆっくり下げていき、バッテリーメーターの境界線の時の電圧が9.6〜10.8Vであることを確認する。 9.5V以下の時は、プリアンププリント基板上の可変抵抗(VR104)を調整する。 |
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カセットメカの裏側にある基板は、バイアス調整の基板です。 ●バイアス電流調整● 1. 電圧計を録音・再生アンププリント基板上の抵抗(R453又はR454)の両端に接続する。 2. 切換スイッチをテープ、〔テープ2〕テープ切換スイッチをメタル、ビートキャンセルスイッチをAの位置にする。 3. 電圧計の指示値が9mvになるように、バイアス電流調整用半固定抵抗(VR451又はVR452)を調整する。 |
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チューナー基板の調整です。 このシリーズは、ほとんど周波数表示がずれていないものが多いようです。 大体の機種は、バンド切換スイッチに接点洗浄剤と接点復活剤を塗布するだけで、無調整で大丈夫です。 正確な調整には信号発生器が必要です。 |
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組み立てます。 ヘッドのアジマス調整と、テープスピード調整や録音再生のチェックをします。 自動録音時に左右のレベル差がありますが、調整個所がないためそのままになります。 その他のスイッチやボリュームのチェックをします。 外部入力と出力のチェックをします。 しばらくエージングをして様子を見て、問題がなければ修理完了です。 |