ラジオ・ラジカセミニ博物館
Victor RC-M80の修理 Part2
METAL CASSETTER RC-M80
修理未経験者や初級者向けの細かい工程の説明はしていません、
基礎知識があり修理経験豊富な方が修理してください。
万一修理を失敗しても、自己責任でお願いいたします。
★修理専門業者ではないので、修理依頼はお受けしていません★
故障症状 外観が以前持っていたものより綺麗な状態のRC-M80を入手しました。 FMは受信するがステレオ受信できないのと感度低下している感じですが、局間ノイズも入らないので変です。 さらに、AMは何もノイズもなく受信しません。 カセットは動きましたが早送りと巻き戻しと再生は最初は出来ましたが、巻き取り側リールの回転がおかしいです。 巻き戻し時も回転したり、停止しても動いたりします。 電源スイッチを切ってもキャプスタンも止まりません。 細かい作業工程はまったく説明していませんので、決して真似をして分解しないでください。 |
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チューナー部の修理 チューナーの修理は「Victor RC-M80の修理」も参考にしてください。 |
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裏キャビネットをはずしてから、表キャビネットから基板のついたフレームを取り出します。 |
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フロント側の自動選局と表示部のコントロール回路基板です。 こちら側は特に問題ありません。 |
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裏側のチューナー基板の劣化したトランジスターを3個交換したところ、AMは強い電波の放送局は受信できるようになりました。 FMはあまり変わりません。 ミューティングは内蔵していないと思いましたが、なんとなくミューティングが中途半端に動作している状態に感じます。 中間周波数増幅のICのLA1201の周辺を調べます。 そばにあやしい半固定抵抗があります。 回して変化を見たところ、弱い放送局や局間ノイズが聞こえてきました。 どうやらここの調整が経年変化でずれたようです。 最良に聞こえる位置に調整したところ高感度に受信できるようになりました。 IF段とステレオ復調回路の再調整もしました。 |
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カセット部の修理 | ||
2モーター、フルロジックのカセットメカの表と裏です。 以前修理したRC-M90の元になっているメカのようです。 基本的な構造はよく似ています。 RC-M80は、コントロール基板が二つに分かれているようです。 |
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カセットメカの裏の基板をはずすと、フライホイール押さえ板が見えます。 |
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フライホイール押さえ板をはずし、フライホイールとリール駆動用モーターを取り外します。 ゴムベルトは交換します。 |
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写真左はヘッドブロック駆動メカ、写真右はリール駆動メカです。 グリスも固まっていないか調べましたが大丈夫のようです。 |
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ヘッドブロックの裏側を調べます。 |
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ヘッドブロックをはずしたところ、破損した樹脂パーツが出てきました。 本来は真中の穴にピンが刺さっています。 経年変化でヒビが入り外れてしまったようです。 最初は金属ピンが見つからなかったので、プラリペアで作ってみました。 茶色いのが自作したピンです。 金属ピンは瞬間接着剤で固定しました。 瞬間接着剤も耐久性には問題があります。 しばらく使用しているうちに、また破損する可能性があります。 ピンを自作する方法 この樹脂はプラリペアでは接着できないのですが、その性質を利用してピンを製作します。 プラリペアを穴に少し入れて固めてから、少し押し出してまたプラリペアを流し込んで固めてという作業を3回ほど繰り返すと出来上がります。 写真は製作途中のものです。 又は、直径3ミリの棒を加工してもよいかと思います。 |
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写真左は、ヘッドブロックははずした状態です。 写真右のように、ヘッドブロックの下にこのように挟まっています。 ヘッドブロックが動くことによってこのレバーも動き、リール駆動メカの回転を切換えます。 ピンが取れたために切り替えがうまく出来なくなって、動きがおかしくなっていたようです。 樹脂と金属の組み合わせは耐久性に問題がありますね、RC-M90ではこのパーツはピンも樹脂で一体成型されています。 |
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キャプスタン用のモーターが回転し続けた原因は、モーターとカセットメカの金属レバーが接触していたためのようです。 接触しないように、モーターの取り付けネジとモーターのシールドケースの位置を調整しました。 モーターの外側をアース側の金属に接触させると、モーターは回転してしまうようです。 意外な故障でした。 |
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その他 | ||
写真左は、アンプ基板に接続されているスピーカーの配線です。 写真右は、自動選曲スイッチと録音ミューティングスイッチの付いた基板です。 |
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写真左は、リモコン端子とカセット操作部付近です。 写真右は、チューナー操作部裏側です。 |
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写真左は、右ツィーターです。 写真右は、右ウーハーです。 |
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写真左は、左ツィーターで磁気シールドのカバーが付いています。 写真右は、左スピーカーのネットワークのコンデンサーです。 中央の端子からの黒い配線は、チューナー基板へコネクターで繋がっています。 |