ラジオ・ラジカセミニ博物館

Victor RC-838の修理 Part2
(オーバーホールの途中)
2009年2月10日 2018年6月8日更新
チューナー修理から9年たち、やっとカセット修理に取り掛かります。



1978年の発売と同時にすぐに購入し、現在も活躍中のとても大切なRC-838です。

長い間使用しているの間に、いくつかの故障個所を直しながら使い続けています。
以前にアンプ基板のスイッチとボリュームを分解清掃し、接点改質剤処理をしました。
フォノ基板、チューナー基板、入出力端子はまだ整備していません。
家の建て替えが終わり引っ越してから、しばらくメインのオーディオとして使い始めたところ、
カセットの早送りと巻き戻しが壊れました。
そしてAMラジオの受信が不安定になりましたので、まずチューナーの修理をすることにしました。
 チューナーの修理
FM受信は感度は少し低下していますが、検波回路がずれ始めているようでAFCスイッチを入れると受信周波数がずれるようです。
AMが急にバリバリ音が出て、シグナルメーターもふらふらして受信が不安定になりました。
1978年から使用しているので、部品の劣化はしているはずです。
まず、トランジスターの交換とスイッチの分解清掃をします。   

同一の トランジスターに交換をします

 2SC535は手持ちが無かったので交換していません

トランジスター交換後に調整をします。
AMトラッキング調整のバーアンテナのコイルは調整していません。

FM検波コイルを調整し、AFCスイッチオンとのずれを直します。。
ステレオ復調回路の調整は、Victor RC-M60の修理を参考にしてください。
受信テストをしたところ、FMは感度アップし調子良くなりました。
AMも最初は少し良くなりましたがあまり変わりません。
FMをしばらく聴いてからAMに切換えたところ、
なんとほとんど小さい音になり、シグナルメーターも振れません。
中間周波数増幅ICも交換してみましたが変わりません。
信号発生器でテストしたところ、455kHZの信号は増幅しているようです。
局発(OSC)と高周波増幅のトランジスターを再チェックしましたが
問題ないようです。
バンド切換スイッチ、バリコン、バーアンテナを調べます。
 
バンド切換スイッチを取り外し分解します。
写真右は、FM AFC/AM SENSを分解したところです。

AMとFMの切換スイッチを外すときは、ロック機構のスプリングをなくさないように注意してください。
ビニール袋の中で、スプリングを先に取り外すと安全です。
分解して接点を磨きいてから接点改質剤を塗り、組み立て後にテスターで導通テストをしま.した。
問題ないので基板に取り付けて、半田付けをします。
バンド切換スイッチを取り付けてから、受信状態をチェックしてみましたが変わりません。
 
バーアンテナとバリコンを調べます。
バーアンテナのコイルの半田付けを外し、コイルの断線を調べましたが断線していません。
AMトラッキング調整のバーアンテナのコイルを調整します。
バーアンテナのコイル調整は、低い周波数の感度を調整します。
信号発生器で550kHzを出して、最大感度となるようにコイルを調整しました。
経年変化でフェライトコアの特性が変わったのでしょうか、以外と左へずれました。
最大感度から少しずれると感度がかなり落ちます。
次にバリコンの、バンド幅とトラッキングのトリマーを調整し直します。
どうやらバリコンのトラッキング調整のトリマーが接触不良のようです。
バリコンのトラッキング調整のトリマーは、高い周波数の感度調整です。
接触不良でトリマーがうまく調整できないようです、
コイルと交互に調整してよく聴く放送が受信できるように調整しました。
どうも高い周波数の感度がよくなりません。
急な感度低下とノイズは、トランジスターの劣化とバリコンのトリマーとバーアンテナの調整ずれが
複合的に起きたのが原因かもしれません。
バリコンのトリマーが壊れた場合は、バリコンの交換かトリマーを最小容量にして、
小容量のトリマーコンデンサーを外付けすると直せるかもしれません。
部品取からバリコンを移植できますが、よく聴く放送は受信できるので今はこのままにしておきます。
カセットメカの修理
2018年5月31日〜

以前から用意してあった部品取りのカセットメカから、
交換に必要な部品を取り外します。

部品取りのカセットメカです。
ヘッドの摩耗が少ないので、このヘッドを使用します。

多少減っています。







 

このモーターは最初についていたモーターです。
整流子が破損して壊れました。
接着してハンダ付けしなおして直しましたが、
このメカについていた部品取りのモーターと交換しました。
現在は交換したモータがついていますので
そのまま使用しますが、以前のテープスピードか知りたいので
修理したモーターを一時取り付けて
テープスピードを調べてみたいと思います。

早送りと巻き戻しに切り替わるアイドラーです。
クラッチのスプリングをおさえている
樹脂パーツが割れました。
そのためアイドラが取れて早送りと
巻き戻しが出来なくなりました。

フライホイールに接触して回転を伝えます。



 

バネ2本

バネ1本

Eリングで固定。

Eリングとバネを外してから取り出します。

取り外した状態。

磨きます。

樹脂にヒビが入っています。
後で瞬間接着剤で補修をしておきます。

こちらもヒビが入っています。
後で瞬間接着剤で補修をしておきます。

録再ヘッドを取り外します。

取り外した状態。

取り出しにくかったので、基板も取り外しました。

少し摩耗しています。

磨きました。

モーターを取り出すので、シールド板を外します。

取り外したシールド板。

モーターは3本のネジで固定されています。

取り外したモーター。

整備するRC-838の裏ブタを開けます。

上面パネルにアース線が接続されています。

上面パネルにアース線が接続されています。

スピーカーからチューナー基板に接続されているアース線。

スピーカー出力コネクタ。

ツマミを取り外します。

チューニングノブを外します。

カセットドアのエアダンパーのレバーを取り外します。

黒いレバーを上に向かって外します。

取り外した状態。

カセットメカ左下側のネジを取り外します。

電源トランス右上のネジを外します。

ハンドルの根元、左上のネジを外します。

バランスとイコライザーの間にあるネジを外します。

チューナー基板左上のネジを外します。

チューナー基板右側のネジを外します。

カセットメカ裏側のオートストップ基板そばのネジを外します。

ジャック基板左下のネジを外します。

カセットメカ下側のネジを外します。

アース線を外します。

アース線を外します。

スピーカー出力のコネクタを外します。

チューナー基板につながっているアース線を外します。

ツマミを取り外します。

基板を取り出しました。

取り出した中身。

カセットメカを取り出します。

カセットメカ裏側のオートストップ基板に繋がっている
3本の配線を外します。

カセットメカ裏側のアース線を外します。
 

カセットメカ左上のネジを外します。

カセットメカ左下のネジ2本を外します。

カセットメカ右下側のネジを外します。

カセットメカ右上のネジを外します。

カセットメカを取り出します。

オートストップ基板。

オートストップ基板に接続していたケーブル。

キャプスタン軸に取り付けてあるポリスライダワッシャを外します。

キャプスタン軸に取り付けてあるポリスライダワッシャを外します。

ポリスライダワッシャ。

スラスト受板のネジを外します。

ネジを外します。

取り外したスラスト受板とスラスタ。

シールド板とソレノイドのシャットオフ機構部を外します。

シールド板のネジを外します。

外したシールド板。

シールド板を外した状態。

ソレノイドのネジ3本のペイントロックを外します。

ソレノイドのネジ3本を外します。

取り外した状態。

モーターに掛けてあるゴムベルトを外します。

キャプスタン軸を傷つけないように、フライホイールをそっと引き出します。

取り外した部品。

壊れたアイドラを取り外します。

取り外したアイドラ。

取り外した状態。

S901ポーズスイッチのスプリングを外します。

S901ポーズスイッチのスプリングを外しました。

ポーズスイッチの取付金具のネジを取り外します。

ポーズスイッチのネジを取り外します。

金具を取ると接点が見えます。

ポーズスイッチの接点を磨きます。

S904メカ電源のリーフスイッチ。

S904メカ電源のリーフスイッチの接点を磨きます。

部品取りから外したアイドラのヒビを瞬間接着剤で補修。

部品取りから外したアイドラのヒビを瞬間接着剤で補修。

アイドラを取り付け、Eリンクで固定しました。

バネを掛けます。

バネを掛けます。

新しい平ベルトとフライホイールを取り付けます。

テンションプーリのゴムベルトの掛け方。

S901ポーズスイッチにスプリングを掛けます。

ボーズスイッチの取り付け金具を固定します。

ソレノイドのシャットオフ機構を取り付けます。

スラスタ受板を取り付けます。

シールド板を取り付けます。

キャプスタン軸にポリスライダワッシャを取り付けます。

取り付けたポリスライダワッシャ。

ヘッドとピンチローラーとキャプスタンを磨きます。

リール台やゴム部品を磨きます。

磨いたヘッドとピンチローラーとキャプスタン。

消去ヘッドは樹脂が劣化しています。。

録再ヘッド。

部品取りから消去ヘッドを外します。

色が違いますが同じ型番の消去ヘッドです。

カセットメカを取り付けます。

オートストップ基板の配線を接続します。

アース線を接続します。

動作テストをします。

早送りと巻き戻しとオートストップの動作確認。

再生と録音とオートストップの動作確認。

消去ヘッドと録再ヘッドを取り外します。

取り外した消去ヘッドと録再ヘッド。

録再ヘッド。

録再ヘッド。

消去ヘッド。

消去ヘッド。

取り外した、消去ヘッドと録再ヘッド。

左は購入時についていた録再ヘッド。
中央は1回メーカーで交換した録再ヘッド。
右は今回部品取りから取り外した録再ヘッド。

1978年8月24日の購入時についていた録再ヘッド。
すり減ってテープタッチが悪くなって交換してもらいました。
かなりへこんでいます。

1984年6月28日にメーカーで交換した録再ヘッド。
さすがにすり減ってテープタッチが悪くなっていました。
メーカーには部品はないので、メーカーでの修理はできません。

部品取りから取り外した録再ヘッド。
多少摩耗していますが使用できるレベルです。
初期性能ほどには復活できませんが十分です。

基板を取り付けて配線をハンダ付けします。

消去ヘッドと録再ヘッドを取り付けます。

ミラーカセットをセットします。
電源は接続しないで再生ボタンを押し、
リーダーテープの位置でヘッドの角度を確認します。
テープと平行に調整します。

ヘッドの角度を調整した後は、テープパスの確認をします。
電源をつないで、テープを再生状態にする。
テープが真っすぐ走行しているか確認をします。
大丈夫なのでアジマス調整をします。

アジマス調整用テープを再生します。

出力が最大になるようにアジマス角度を調整します。

位相合わせをします。

0度になるように調整します。

ネジをペイントロックします。

ライン出力レベルが300mVになる基準再生レベルを調べます。

マニュアル録音にして、録音ボリュームを最大にしておきます。

録音待機状態にします。

左のメーター、+4dB位のようです。

右のメーター、ほぼ+3dBになっています。

0dB基準レベルテープを再生します。

0dB基準レベルテープの再生レベルです。

0VU基準レベルテープを再生します。

0VU基準レベルテープの再生レベルです。

テープスピードを測定します。

少し遅いようです。

故障して修理したモーターに交換してみます。

モーターを取り外しました。

動作テストをしましたが回りません。
モーターは破損した整流子を修理しましたが、
残念ながらサーボ回路が壊れているようです。
最初のモーターのテープスピードを調べることはできませんでした。
次は故障して交換したオートストップ基板を調べてみようと思います。

取り付けてある部品取りからのオートストップ基板。 

故障したオートストップ基板ですが、故障箇所を調べるのはやめました。

ペイントロックをします。

レコードレバーが壊れました。

ツメが2本折れてしまいました。

部品取りからレコードレバーを取り外します。

取り付けました。

テープスピードを調整します。

少し変動しますが、3000Hzに調整しました。

POWERスイッチのツマミを部品取りから外します。

折れたPOWERスイッチを交換します。

スイッチの後ろの白い部分を矢印方向に持ち上げます。

次に矢印方向へスライドさせます。

取り外しました。

S902パワースイッチ。

パワースイッチ取り外します。

接点を磨きます。 

部品取りから外したPOWERスイッチのツマミをに取り付けます。

元の位置に取り付けます。

スライドボリュームの接点を清掃して、接点改質剤を塗布します。

ネジを外してダイヤルスケールを取り外します。

下3か所と上2か所のツメを外して取り外します。

磨いて取り付けました。

カセットドアを外して磨きます。

磨きます。

ネジを取り付けます。

配線をつなげます。

カセットドアのエアダンパーのレバーを取り付けます。

レバーを取り付けます。

動作確認。
現在の状態を測定

ビクターの回路図集からR-838のブロック図。
この回路図集には調整方法は載っていません。
カセットデッキのように録音レベルのモニターがラインアウトとモニター出力からはできません。
録音レベル調整とは関係なくモニター出力は出ています。
そのため、カセットデッキとは同じやり方では調整できません。
また、VUメーターは録音時のみ録音レベル表示をします。
再生時はパワーアンプの出力レベル表示になります。
VUメーターも右チャンネルは調整用半固定抵抗はなく固定されています。
左チャンネルのVUメーターには調整用半固定抵抗がついています。
この半固定抵抗は右チャンネルに左チャンネルを合わせるためのものです。
仕様では、ラインアウト出力は250mVとなっています。
右チャンネルを基準に測定をして、どのように調整するのかを考えます。

オシレーターを1kHzで出力します。
ビクター回路図集を見ると、テープの再生レベル調整の
テストテープは1kHzを使用しているようです。

FANCTION/LINE IN
REC SELECT/MANUAL
REC LVEL/MAX

オシレーターの出力が250mVになるようにOUTPUT LEVELを調整。

録音待機状態にします。

VUメーターは約+2に近い位置に来ました。

オシレーターの出力に2dBのアッテネーターを入れます。

0VU付近になりました。

200mV位になりました。

アッテネーターを戻し、周波数315Hzにします。

250mVより少し電圧が上がりました。

315Hz/0dB基準レベルテープを再生します。

470mV付近になります。

315Hz/-4dB/0VU基準レベルテープを再生します。

300mV付近になります。

ノーマルタイプは、マクセルのLNが推奨テープになっています。
現行品のマクセルURで録音再生レベルを確認してみます。

オシレーターを1kHzにします。

ラインアウトの出力が250mVになるようにします。

REC LEVELツマミで、VUメーターが0VUになるように調整します。

マクセルURで録音します。

録音したテープを巻き戻して再生します。

ミリバルは240mVになりました。
この測定結果からテープ感度調整のREC LEVEL半固定抵抗の調整レベルを推測します。
ローノイズノーマルポジションテープを使用して、1kHzの信号をマニュアルで0VUで録音したテープの再生レベルが
250mVになるようにオーディオ基板の半固定抵抗Rch REC LEVEL VR203とLch REC LEVEL VR103を調整するのかもしれません。

バイホニックプロセッサーの調整用半固定抵抗の信号レベルを測定してみます。
調整用半固定抵抗は、Lch BIPHONIC VR105とRch BIPHONIC VR205です。

オシレーターの出力は1kHzでラインアウト出力が250mVにしています。
 
ヘッドホン端子の出力をミリバルに接続します。

バランスとトーンコントロールはセンター。

250mVになるようにVOLUMEを調整します。
右チャンネルだけに信号を入力して測定します。
MODEスイッチをSTEREOからEXPANDへ、
さらにBIPHONICに切換えた時の信号レベルを測定します。
入力は片方のチャンネルのみ。
ヘッドホン端子の出力は両チャンネルで測定。
元信号と反対チャンネルへの打ち消し信号を測定します。

入力は右チャンネル/MODEスイッチ/STEREO。

右チャンネル250mV。

入力は右チャンネル/MODEスイッチ/EXPAND。

右チャンネル310mV。左チャンネル280mV。

入力は右チャンネル/MODEスイッチ/BIPHONIC。

右チャンネル288mV。左チャンネル220mV。
左チャンネルだけに信号を入力して測定します。
MODEスイッチをSTEREOからEXPANDへ、
さらにBIPHONICに切換えた時の信号レベルを測定します。
入力は片方のチャンネルのみ。
ヘッドホン端子の出力は両チャンネルで測定。
元信号と反対チャンネルへの打ち消し信号を測定します。

入力は左チャンネル/MODEスイッチ/STEREO。

左チャンネル250mV。

入力は左チャンネル/MODEスイッチ/EXPAND。

右チャンネル2800mV。左チャンネル310mV。

入力は左チャンネル/MODEスイッチ/BIPHONIC。

右チャンネル218mV。左チャンネル280mV。
組み立て

ツマミ取り付け。

ツマミ取り付け。

ツマミ取り付け。

アース線とアンテナ線の接続

裏ブタ取り付け

修理完了。


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