SONY TC-D5の修理
2018年4月19日作成開始 2018日4月29日更新
カセットメカ不調のため整備してみます。
作業工程の備忘録です。
★修理専門業者ではないので、修理依頼はお受けしていません★
ケースを開ける | |
外観もコンディションが良くないです。 |
ネジが間違って使用されています。 |
TC-D5Mのネジ。 |
ネジの取り付けがほとんど間違っていました。 |
変形しています。 |
基板を外すには、マイナスの配線を外します。 |
配線の記録 | |
カセットメカの不具合を調べる | |
オートストップの不具合が分かりました。 ベルトも伸びています。 |
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清掃してベルト交換 | |
スラスト板を外します。 |
フライホイールのベルトを外します。 |
早送り FFのアイドラを外します。 軸も清掃します。 |
大きいほうがフライホイールに接触。 小さいほうがテイクアップ側リール台に接触。 |
大きいゴムの外径。 |
大きいゴムのおおよその内径。 |
小さいゴムの外径。 |
小さいゴムのおおよその内径。 |
大きいゴムの厚み。 |
小さいゴムのおおよその厚み。 |
FFのアイドラを磨いてから取り付けます。 |
送り FWDのアイドラを磨きます。 |
巻き戻し REWのアイドラを取り外します。 |
外したREWとカウンタのゴムベルトとアイドラ。 |
REWアイドラゴムの外径。 |
REWアイドラゴムの厚み。 |
REWアイドラゴムのおおよその内径。 |
ベルトのかかるプーリ部分を磨く。 |
サプライ側リール台のプーリを磨く。 |
カウンターのプーリを磨く。 |
REWアイドラを取り付ける。 |
カウンターベルトを取り付ける。 |
フライホイールのベルトを取り付ける。 |
スラスト板を取り付ける |
配線を固定します。 |
録音再生切換スイッチに接点復活材を塗布。 |
基板を閉じます。 |
マイナスの配線をハンダ付けします。 |
カセットメカの動作テスト。 |
基板に配線を固定。 |
モーターの配線が切れました。 |
とれた配線をハンダ付けしました。 |
配線を記録。 |
配線を記録 |
配線を記録。 |
モーターの回転が速く調整できません。 原因はコンデンサーのはんだ割れでした。 |
配線の記録。 |
ヘッドホンとスピーカーの音がほとんど出ません。 原因は2か所ハンダ割れがありました。 |
ハンダ付けをしたら音が出るようになりました。 |
再生テスト。 |
録音ボタンがロックされません。 正面パネルを外してみました。 |
原因が特定できませんでした。 翌日、再度調べてみます。 |
正面パネルとリールパネルを取り付けます。 |
録音回路が動作しなかったので、 再ハンダ個所を修正。 |
矢印方向にレバーが曲がっていたため、 録音再生切換スイッチのレバーが途中までしか 動かなかったのが原因でした。 |
録音ボタンがロック出来て、 録音回路も動作しました。 |
テープスピード調整 | |
消去ヘッド、録再ヘッド、キャプスタンを消磁。 |
消去ヘッド、録再ヘッド、キャプスタン、 ピンチローラーのクリーニング |
ミラーカセットでテープパスの確認。 |
テープスピード調整は裏側の基板。 |
RV701の半固定抵抗で調整。 |
3000Hzの信号が2985Hzで再生。 |
RV701の半固定抵抗で調整。 |
多少の変動はあるが、3000Hzに調整。 |
アジマス調整(1回目) | |
まず両チャンネルのレベル合わせ。 |
左右同レベルになるように半固定抵抗を調整。 |
右同じレベルで再生。 |
10kHzのアジマス調整用テストテープ。 |
無調整の状態で、135°でした。 |
アジマス調整ネジを回して出力最大に調整。 |
位相があった状態。 |
調整したネジをペイントロックで固定。 |
再生レベル調整(1回目) | |
0VUの基準レベル調整用テストテープ。 |
LINE OUT に、47kΩの負荷抵抗を接続。 |
基準出力レベルになるように調整。 LCHが出力不足で歪んでいるようです。 |
基準出力レベル435mV。 一応レベルは合わせられました。 |
レベルメーターの調整 | |
LINE INから333Hzの信号を入力して 録音ボタンを押す。 |
LINE OUT出力が435mVになるように、 REC LEVELツマミで調整。 |
調整前のメーター。 |
メーターが0VUになるように調整。 |
調整後のメーター。 |
再生時の歪みが気になりますので、 原因を調べます。 |
歪みとノイズの原因を突き止める | |
ライン入力で録音してみます。 ラインアウトの音も左が歪んでいます。 |
録音した音を再生してみると、 左チャンネルが歪んでいます。 |
TC-D5Mで再生してみると、 歪みは少ないです。 |
まずは再生イコライザー左チャンネルの トランジスター交換をしてみます。 |
左チャンネルの録再ヘッドからの 再生アンプはトランジスター2石。 |
ラインアンプの最初のトランジスター。 400番台は左チャンネル。 |
右チャンネルの録再ヘッドからの 再生アンプはトランジスター2石。 |
ラインアンプ。 500番台は右チャンネル。 |
取り外した、Q402 2SC1345。 |
取り外した、Q402 2SC1345。 |
Q402に、新品の2SC1345を仮付け。 あまり変化がない。 |
Q401に、新品の2SC1345を仮付け。 再生レベルの半固定の調整範囲に 余裕ができたがノイズは変わらない。 |
ラインアンプへの接続を左右反転してみる。 |
ラインアンプからノイズが発生している。 |
Q403 2SC945を取り外してみる。 |
Q403 2SC945のはんだを吸い取る。 |
ノイズはまだ発生。 |
Q404 2SC1345 と Q405 2SC945を調べる |
Q404 2SC1345 と Q405 2SC945 の ハンダを吸い取る。 |
Q405 2SC945 を新品の2SC945に交換。 Q404 2SC1345からノイズが発生。 |
Q405 2SC945 を元に戻す。 Q404 2SC1345 を新品の2SC1345に交換。 |
半固定抵抗からの出力をつなぐ。 ノイズが無くなる。 |
右チャンネルのトランジスターを 交換していないのでノイズが多いのが目立つ。 |
右チャンネルのQ501 2SC1345 と Q502 2SC1345を交換。 |
左チャンネルのQ401 2SC1345 と Q402 2SC1345を基板にハンダ付けする。 |
ラインアンプの右チャンネルの交換していない Q504 2SC1345も交換。 |
再生アンプとラインアンプの2SC1345を交換。 |
以前、CFS-686の修理でも2SC1345を 交換しました。 トランジスターも劣化するとノイズ発生や ゲインの低下などが起きます。 ステレオの場合は、片チャンネルだけ交換 するとノイズに差が出ます。 両チャンネル交換する必要があります。 今回は、再生アンプとラインアンプの 両チャンネルの2SC1345を交換しました。 ノイズと歪みも減り大変綺麗な再生音に なりました。 他の劣化した電子部品も交換すると、 更に綺麗な音になるかと思います。 |
録音再生テスト | |
テープはマクセルURで録音テスト。 |
録音したテープを再生。 歪みやノイズもなく無事録音再生できました。 |
アジマスと再生レベルの調整(2回目) | |
自作テストテープ315Hz0dBで左右レベル確認。 |
合っています。 |
自作テストテープ10kHzでアジマス確認。 |
10kHzアジマス調整テストテープを再生。 |
出力が最大になるように調整。 |
PB LEVELで左右の再生レベルを合わせる。 |
位相を確認。 |
4dBのアッテネーターを入れて、 333Hzの信号を出力。 |
333Hzの信号をラインインに入力。 録音状態にしてラインアウトが0VU(435mV)に なる用に録音レベルツマミで調整。 ラインアウトには、47kΩの負荷抵抗を接続。 |
信号の出力は4dBのアッテネーターを 入れた状態で、0VU (-4dB) 435mVにする。 |
ミリバルのレンジを切換えて、 4dBのアッテネーターを0dBにする。 |
315Hz (0dB) のテストテープ再生。 |
再生レベルの調整前。 |
録音状態の時と同じレベル表示になるように、 PB LEVELを調整する。 |
右が最大でここまでしか上がりません。 左を同じレベルに合わせます。 |
再度10kHzのアジマス調整テストテープの レベル差がどうなったかを確認してみます。 |
10kHzアジマス調整用テープを再生。 |
左右のレベル差がないか確認。 |
録音バイアス調整 | |
バイアス量は、パターンの接続を変えて調整。 |
1kHzの信号を出力。 |
0VUに調整。 |
435mV。 |
10kHzの信号を出力。 |
録音レベルは固定。 |
10kHzは少し左右の誤差があります。 |
1kHzに戻し、20dBのアッテネーターを入れる。 |
録音レベルは固定。 |
-20dB低くなります。 |
10kHzの信号を出力。 |
録音レベルは固定。 |
同じレベル表示。 |
レンジを切り替えます。 |
-20dBにした1kHzの信号。 |
ほぼ同じ。 |
10kHzの信号を出力。 |
ほぼ同じ誤差で表示。 |
ノーマルのマクセルUDで確認。 |
1kHzと10kHzの信号を-20dBで録音したときに、 再生出力レベルの差がOdB±0.5dBに なるようにパターンの接続を変えて調整します。 当時のSONY基準テープで 調整されています。 現行品のマクセルURではどの程度の 差が出るか確認します。 |
1kHzの再生レベル。 |
10kHzの再生レベル。 左チャンネルが揺れが大きくなっています。 |
ミリバルのレンジを切り替えました。 1kHzの再生。 |
ミリバルのレンジを切り替えました。 10kHzの再生。 |
FFとREWのオートストップ動作不良 | |
作業をしている間にオートストップの不具合が 見つかりました。 FFとREWのサプライ側リールが止まった時に 少しすると停止するはずのモーターの回転が 止まりません。 原因を調べます。 |
オートオフ回路に穴が開いています。 |
部品面を見るとタンタルコンデンサーの 足が抜けて傾いています。 近くの抵抗も倒れています。 何度も基板を起こしているうちに 曲げてしまったようです。 |
タンタルコンデンサーを起こしてハンダ付けをし、 倒れた抵抗を起こしました。 正常にオートストップ動作として、 モーターの回転が止まるようになりました。 |
19kHzフィルター調整 | |
19kHzの信号を出力します。 ライン入力につないで、録音ボタンを押します。 |
ドルビースイッチONにして、 0VU位まで録音レベルツマミで調整します。 ラインアウトのモニター音ではドルビースイッチ のONとOFFで変化ありませんでした。 |
左右同じレベルになるように、 に録音レベルツマミで調整します。 |
FILTERコイルのフェライトコアを回して、 出力レベルが最小になるように調整します。 |
フェライトコアはとても割れやすいです。 非磁性体のフェライトコア調整用の 専用ドライバーを使用します。 |
フェライトコアを回すと破損しそうでしたので、 わずかに下げるところでやめました。 19kHzのフィルターは調整しなくてもよさそうです。 |
フィルターの測定 1kHz。 |
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フィルターの測定 10kHz。 左右の差が少し出ています。 |
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フィルターの測定 12kHz。 |
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フィルターの測定 15kHz。 |
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フィルターの測定 17kHz。 |
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フィルターの測定 19kHz。 |
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録音レベル調整 | |
333Hzの信号を出力します。 |
録音レベルツマミで、0VUに合わせます。 |
ラインアウトとミリバルの間には、 47kΩの負荷抵抗を入れておきます。 |
435mVになるように録音レベルツマミで 調整します。 |
現行品のノーマルテープのマクセルURを ノーマルテープの基準テープにします。 333Hz 0VUの信号を録音します。 |
巻き戻して再生します。 |
マクセルURは、当時のテープ感度より 少し高いようです。 |
テープ感度に合わせるため、 REC LEVELの半固定抵抗で調整します。 |
REC LEVELの半固定抵抗で左右のレベルを 少し下げてから録音再生して測定します。 |
何度も調整と録音再生を繰り返して、 再生レベルが435mVになるように調整します。 |
ケースの取り付け | |
テープセレクトとドルビーNRのスイッチ。 |
フエルト取り付け。 |
カバーの取り付け。 |
ネジは4か所。 |
カセットぶたの取り付け。 |
スプリングに取り付ける。 |
ネジは3か所。 |
一番長いネジ1本。 |
短いネジ2本。 |
2番目に長いネジ3本。 |
短いネジ1本。 |
短いネジ6本。 |
電池ぶたに新しいスポンジを貼る。 |
電池ぶたを取り付ける。 |
組み立て完了。 | |
録音再生テスト | |
録音設定 @テスト信号CDの315Hz/-4dBの信号を、マイク入力時とライン入力時に0VUになるように調整。 A著作権フリー音楽のCDを使用。 Bテープは現行品で販売されている、ノーマルポジションのマクセルURを使用。 Cマイク入力のドルビーON/OFFと、ライン入力のドルビーON/OFFの4種類の設定で録音。 D録音したテープの再生音をPCM 44.1kHz 16bitで録音。 E下線付きの文字をクリックすると音を再生します。 F右のリンクは、LINE INからLINE OUTのCDの音。TC-D5-LINE-OUT-SOUSE.wav へのリンク |
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マイク入力、ドルビーON、マクセルUR。 TC-D5-MIC-DOLBY-ON.wav へのリンク |
マイク入力、ドルビーOFF、マクセルUR。 TC-D5-MIC-DOLBY-OFF.wav へのリンク |
ライン入力、ドルビーON、マクセルUR。 TC-D5-LINE-DOLBY-ON.wav へのリンク |
ライン入力、ドルビーOFF、マクセルUR。 TC-D5-LINE-DOLBY-OFF.wav へのリンク |