ラジオ・ラジカセミニ博物館

SHARP GF-808の修理

2010年2月16日修理完了 2020年4月26日更新


THE SEARCHER-W 808J

修理未経験者や初級者向けの細かい工程の説明はしていません、
基礎知識があり修理経験豊富な方が修理してください。
万一修理を失敗しても、自己責任でお願いいたします。

★修理専門業者ではないので、修理依頼はお受けしていません★

分解
 
 
 
カセット部の修理 
 
カセットメカを取り出します。
 
フライホイールを取り出し、キャプスタン軸の溶けたゴムをふき取ります。
 
リールブロックを取り出します。アイドラーやリール台に付いた、溶けたゴムをふき取ります。

このダブルデッキのメカに使用されている巻き戻し用のギヤは経年劣化で破損します。

青色矢印のギヤが破損。
オレンジ色矢印のギヤも同じような樹脂で出来ていると思われるギヤ。
こちらも、いつか破損するかもしれません。

代用部品として使える同じ形のギヤはまだ見つかりません。

ギヤをコピーして製作することも可能かもしれませんが、固い材料では動作音が大きくなります。

ネット検索で、代用ギヤについての書き込みを見つけることはできました。(2020年4月26日)
 
キャプスタン軸受けを取り出し、溶けた駆動ゴムをふき取ります。軸受けの左側がもうすぐ溶けそうな駆動ゴムで、右側が溶けた駆動ゴムです。 
数年かけて見つけた代用部品は、10年以上トラブル無しの実績があります。
この代用部品は修理業者でも使用しています。
キャプスタン軸のゴム部品についての問い合わせがありますが、
修理業者間で使用しているこの代用部品についてはお答えできません。
キャプスタン軸のゴム部品を自作する研究をし、
途中まで治具の製作もしましたがやめることにしました。
これからも代用部品を使用して、ゴムベルトも購入できるものを使用します。
 
ブレーキパッドのゴムが切れています。 瞬間接着剤で補修しました。
 
硬くなったピンチローラーを新品に交換します。 
 
操作ボタンも分解し清掃します。新しいゴムベルトをかけて組み立てます。
 
リーフスイッチをの接点を磨いて、電解コンデンサーを交換します。
入出力端子基板の修理
 
電解コンデンサーを交換します。ビートキャンセルスイッチを分解して磨きます。
 
外部マイク端子を分解して接点を磨きます。リモート端子も接点を磨きます。
録音・再生アンプ基板の修理

電解コンデンサーを交換します。
 

 
エディトスイッチ、ファンクションスイッチ、録音・再生切替スイッチ、テープ1モニターヘッドホン端子を分解して磨きます。
テープセレクト、録音ボリューム、ミキシングボリューム基板の修理



電解コンデンサーを交換します。
 
ミキシングマイク端子と、ミキシング切替スイッチを分解して磨きます。
 
自動・手動録音切替スイッチとテープ2のテープセレクトスイッチを分解して磨きます。
 
ダビングスイッチとテープ1のテープセレクトスイッチを分解して磨きます。
 
エコーボリュームとミキシングボリュームを分解して磨きます。
 
録音ボリュームを分解して磨きます。
AC電源・パワーアンプ基板の修理


 
電解コンデンサーを交換します。AC入力端子を分解して磨きます。
 
ヘッドホン端子と外部スピーカー端子を分解して磨きます。
 
電源スイッチを分解して接点を磨きます。
チューナー・メーター基板の修理
 
チューナー基板とメーター基板を分離します。
 
チューナー基板を取り出します。バンド切換スイッチを分解して磨きます。
 
チューナー基板の電解コンデンサーを交換します。
 
メーター基板の電解コンデンサーを交換しますが、トーンボリュームの上の4つのコンデンサーはトランジスターより背が低くなるように寝かせます。

メーター切換スイッチを分解して磨きます。
 
音量ボリュームとバランスボリュームを分解して磨きます。
 
高音と低音のトーンコントロールボリュームを分解して磨きます。
スピーカーのネットワーク用コンデンサー交換
 
スピーカーのネットワーク用コンデンサーを交換します。
組み立て
 
調整
 
チューナーの調整は、メーター基板を起こして調整できるようになっています。
カセットはテープスピードと、アジマスの調整をします。
交換部品

交換した電解コンデンサー
0.1μF×9本、0.22μF×2本、0.33μF×8本、1μF×8本、3.3μF×2本、4.7μF×15本、4.7μF×2本(BP)、
10μF×27本、33μF×3本、47μF×14本、100μF×16本、220μF×2本、330μF×1本、1000μF×3本、2200μF×1本
キャプスタン用平ベルト2本、オートストップ用角ベルト2本、カウンター用角ベルト1本、キャプスタン軸のゴム部品2個、ピンチローラー2個

修理前は接触不良もあり、スピーカーの音質もバランスが悪かったです。
修理後は聴きやすい音になり、カセットの録音再生も良い音で聴けます。

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