ラジオ・ラジカセミニ博物館

AIWA CS-J88
スピーカーエッジの修理

★2008.6.14★
 
★★ファンテックのウレタンエッジの情報を更新しました★★

左の写真はシルバーモデル、右の写真はブルーモデル

ブルーモデルはパッシブラジエーターが白いです。
オリジナルのエッジは白ですが、交換用のエッジは白が無いので薄いグレーを使用しています。


修理未経験者や初級者向けの細かい工程の説明はしていません、
基礎知識があり修理経験豊富な方が修理してください。
万一修理を失敗しても、自己責任でお願いいたします。


今も人気の、TURBOSONIC 88 型番CS-J88です。
密閉式スピーカーボックスによる、アコースティック3D方式のパッシブラジエーターが特徴です。
DSLシステムとともに迫力ある重低音再生が出来ます。
残念ながら未修理のままですと、ほとんどスピーカーエッジが劣化して本来の音は聴くことが出来ません。
今回は、CS-J88を所有している人物からウレタンエッジを取り寄せたとの連絡があり、
早速修理に取り掛かることにしてみました。
ブルーモデルの写真とラバーエッジと埼玉音研のエッジは、シルバーモデルとは別のアトリエ4Rさんからの
情報です。
写真とエッジの情報、どうもありがとうございます。

ラバーエッジとウレタンエッジの購入先は「ファンテック」という会社です。
商品: 5インチウレタンエッジ 

パッシブラジエーター
商品 : 6インチウレタンエッジ (122mmコーン用) 
     120mmのラバーエッジ (120mmコーン用)

パッシブラジエーター用の122mmコーン用はウレタンエッジがありますが、ラバータイプはありません。
120mm用のラバータイプを使用するとき、エッジの凸面を表面にすると、アルミ製の振動板の方が少し大きいので、
振動板の端とラバーのエッジがすれて切れてしまうことがあるそうです。
凸面を裏側に向けて使用すればよいかと思いますが。(まだテストはしていません。誰か試しましたら、結果報告をお願いします) 


ウレタンエッジの購入先は「埼玉音研」という会社です。
エッジ材質は2種類ともウレタンのみになります。
エッジの形状は2種類とも通常のロールエッジです。
コーン紙寸法122o用
コーン紙寸法100o用(正確には98mm)
手順書は希望の方にメールしてくれます。
商品は送料込みで普通郵便での発送、宅急便等ご希望の場合は着払い。
振込み確認しだい発送するので、振込みしたら連絡を。

CS-J88の本体のスピーカー寸法
14cmウーハーの外径130mm、ロールの外側は123mm、コーンサイズは100mm。
パッシブラジエーターは外径156mm、エッジ外側は142mm、コーンサイズは122mm。
ファンテックのウレタンエッジです。
ウレタンエッジ・接着剤・筆・取扱説明書のセットで送られてきます。
取扱説明書には詳しく書いてあるので、しっかり読んで慎重に
作業すれば意外と簡単に出来ます。
ファンテックのエッジです。
RX-05(ラバータイプ) 2枚
SX-06(ウレタンエッジ) 1枚
接着剤
ブラシ
説明書
ファンテックの、ラバーエッジです。
ウレタンエッジより光沢があります。
埼玉音研のウレタンエッジです。
封筒で送られてきました。
埼玉音研のウレタンエッジです。
色は黒く、ラバーエッジより硬いです。
本体から取り外したスピーカーです。
ウレタンエッジが劣化してボロボロです。
裏側です。
センターのパッシブラシエーターの裏側には、
スポンジが貼ってあります。
これも劣化しているので剥がします。
これを取るには、かなり大変です。
劣化したウレタンエッジです。
説明書に書いてある通りに作業をします。
エッジの周りの、黒い紙製のガスケットを後で使用するので
慎重に丁寧に剥がします。
ウレタンは爪で簡単に取ることが出来ます。
爪が一番良いようです。
ガスケットが取れました。
次はウレタンを剥がします。
きれいに剥がれました。
裏側です。
意外ときれいに剥がれるものです。
ファンテックのウレタンエッジです。
説明書に従い、
ウレタンエッジとコーン紙の両方に接着剤を塗り貼り付けます。
まだ外側の金属フレームとは接着しません。
乾くまで待ちます。
ファンテックのウレタンエッジです。
裏側です。
接着剤は付属のボンドです。
木工用ボンドも使用できます。
乾くと透明になります。
うまく貼れました。
セーム皮と違って、しっかり形があるので
簡単に貼ることが出来ます。
ファンテックの、ブルーモデルに使用したラバーエッジです
埼玉音研のウレタンエッジです。
コーン紙へ接着しました。
パッシブラジエーターのフレームです。
こちらもガスケットを後で使いますので、
慎重に丁寧に剥がします。
ファンテックのウレタンエッジです。
センターのコーン紙は、アルミ製です。
コーン紙とエッジを接着します。
エッジとフレームも接着します。
最後にガスケットを接着して、表は出来上がり。
ファンテックのウレタンエッジです。
ブルーモデルのパッシブラジエーターです。
フレームも白です。
白いエッジがあるといいのですが、
無いので薄いグレーのウレタンエッジを使用しています。
ファンテックのラバーエッジです。
パッシブ用は122mmがありませんので120mmを使用しました。
少し大きめのものをと伝えて注文し購入しました。
少しきついので接着は丁寧に確実に。
ファンテックのラバーエッジです。
外周が大きいのでガスケットを乗せて、カットします。
ファンテックのラバーエッジです。
大きすぎる外周をカットしました。
ファンテックのウレタンエッジです。
ブルーモデルのパッシブラジエーターです。
下のコルクシートを使用しました。
ファンテックのウレタンエッジです。
パッシブラジエーターの裏面です。
本来はスポンジが貼ってあるのですが、
代わりに薄いコルクを貼りました。

後半の音質レポートにもありますが、
スポンジを貼るほうが良い結果を得られます。
ファンテックのウレタンエッジです。
ブルーモデルのパッシブラジエーターの裏側です。
厚さは2mmのコルクを貼ってあります。

後半の音質レポートにもありますが、
スポンジを貼るほうが良い結果を得られます。
ファンテックのウレタンエッジです。
接着剤が乾くまで、しばらく待ちます。
ファンテックのウレタンエッジです。
接着剤が乾きましたら、センター合わせをします。
ウレタンエッジと金属フレームの数箇所に、
接着剤を塗り仮止めをします。
コーン紙を軽く押してこすれていないかを確認します。
次にスピーカーコードを取り付けて、音に歪はないかを確認します。
問題なければ、エッジとフレームをしっかりと接着します。
ファンテックのウレタンエッジです。
忘れずに、ガスケットを接着します。
接着剤が乾くまで待ちます。
左が埼玉音研のウレタンエッジです。
右がファンテックのラバーエッジです。
ファンテックのウレタンエッジです。
ブルーモデルのパッシブラジエーターです。
ガスケットも白です。
ファンテックのラバーエッジです。
エッジをフレームへ接着後、ガスケットを貼り付けて完成です。
フロントパネル裏側です。
左側スピーカ取り付け部。
コードに付いている茶色いテープは、
仮止めしているものです。
本来はありません。
左側スピーカー取り付け部です。
フロントパネル、カセット部の裏側です。
裏側パネルに付いている、カセットメカと回路基板です。
電源回路とDSL基板です。
チューナー部、ボリューム付近。
メーター付近、ミキシングマイク・録音ボリューム付近。
チューナーのアナログ回路部分。
各アンプ回路。
カセットメカ付近。
カセットメカ、上から。
接着剤が乾いたので、スピーカーを取り付けます。
左側のスピーカー。
パッシブラジエーター。
後半の音質レポートにもありますが、
スポンジを貼るほうが良い結果を得られます。
右側のスピーカー。
配線を元に戻して、裏側パネル取り付けて完成です。
ラバーエッジを使用した時にテストで、
吸音材としてスポンジを入れてみました。
ラバーエッジは低音が出すぎるようなので、
吸音材を入れることにより、低音が少し締まります。
吸音材の種類や量で色々試してみてください。
低音の感じは、好みにもよりますので入れなくても良いです。
うまく写りませんでしたが、
表から見た完成したスピーカーです。
完成したので、シルバーモデルとブルーモデルを一緒に記念撮影。

CS-J88のスピーカーエッジ交換後の
音質比較レポート パート@

ファンテックのラバーエッジと、埼玉音研のウレタンエッジの情報提供をしていただいたアトリエ4Rさんから
引き続き音質比較レポートと写真を提供してくだいました。
どうもありがとうございます。
さて、長らくお待たせいたしております CS-J88のレポートを致します。
埼玉音研から届いた パッシブラジエーター用のウレタンエッジも装着を完了し、現在音出ししています。
埼玉音研から届いたウレタンエッジは限りなくファンテックのエッジに近いもので、
少し腰がある・・・そんな感じのエッジで 色もファンテックのエッジに似ています。 
最初は同じものなのかと思いましたが、若干の差があるようです。 サイズも少し小さめで
貼り付け作業にはコツがいります。
その@
両側スピーカー:ラバーエッジ使用
パッシブラジエーター:ラバーエッジ使用すべて ファンテックから入手。
すべてラバーエッジの為、スピーカー及びパッシブラジエーターの動きが活発となり低音の出は良いものの
音楽ソースによっては聴くに耐えられない音の性質となってしまいます。

DSLをONにするときは音量小さめにして低い周波数の音楽を楽しむには向いていますが、高音が出すぎる
様子なのでトーンコントロールして聴くと良い感じです。

DSLをOFFの状態ではスピーカーの音は良いのですが、パッシブラジエーターの動きが少ないせいか、
バランスの悪い音になってしまいます。 かといって音量を上げてしまうと音圧によりパッシブラジエーターの
振幅許容範囲を超えてしまい、更に聴くに耐えられない音になってしまします。

結果的には、小音量でDSLをONにし、BASSを調節しながら聴くと良い音で聴くことができますが、
本来の元気な音は期待できませんでした。
そのA
両側スピーカー:ウレタンエッジ使用 パッシブラジエーター:ウレタンエッジ使用
両側スピーカー:埼玉音研より入手したウレタンエッジ
パッシブラジエーター:ファンテックより入手したウレタンエッジ
埼玉音研から入手したウレタンエッジは、かなり腰がある為スピーカーそのものの音は硬めな音となります。
スピーカーそのものの振幅を超えるような入力をしてしまうと音は割れてしまいますが、エージングを丁寧に
行った結果柔らかい音に変わります。
エッジの硬さがあるせいか、ある程度音量を上げても音割れは少なくなりますが瞬発的な入力には
やはりスピーカーそのものの限界があるようです。

ファンテックのパッシブラジエーターと組み合わせることにより低音の出方は良くなりますが、
今度はパッシブラジエーターの限界を超えてしまい、大音量の時にはパッシブラジエーターの歪むような音が
気になってしまいます。  

DSLをONにして少しスピーカーにパワーを与えてあげる方がバランスの良い音な気がします。 
逆にDSLをOFFだと駆動力が足りなくなりスカスカな音に聴こえてしまいます。

結果的に、ある程度音量を上げて聴くこともできますし、元気な音で鳴ってくれますがアンプの方が
負けてしまう感じです。 スピーカーとパッシブラジエーターのバランスは良いようです。 
さらに吸音材を中に入れるとパッシブラジエーターの振動も少しおとなしくなるせいか、音量を上げて
聴いても綺麗な音が出てくれます。
そのB
両側スピーカー:ラバーエッジ使用 パッシブラジエーター:ウレタンエッジ使用
両側スピーカー:ファンテックより入手したラバーエッジ
パッシブラジエーター:埼玉音研より入手したウレタンエッジ
やはり、スピーカーエッジがラバーだとスピーカー自体の振動が活発となります。音楽ソースによっては
聴くに絶えられない音です。しかし、埼玉音研から入手したウレタンエッジは少し腰があるせいか、
本体に組み込んだ場合 それが適度な抵抗となりスピーカーの振動が多少なりとも抑えられるせいか
バランスの良い音になります。

ここで、今回のパッシブラジエーターにはエッジだけ取り付け、アルミ板の後ろには何も取り付けずに
音を出してみました。 さすがにDSLをONの状態ですとスピーカーの音圧によりパッシブラジエーターが
負けてしまいますが、音量によっては元気でハイスピードな音が出るようになります。
さらに、吸音材を入れ少しパッシブラジエーターの振動を抑えてやると驚くほどバランスの良い音になりした。

それでも、DSLをONで音量をあげてしまうと@に似た音になってしまします。
ところが、DSLをOFFで、BASS全開で聴いてみるとラバーエッジによる低音とウレタンエッジによる抑制効果
により音割れすることも少なく、バランスの良い まったりした音になりました。

結果的に、オリジナルの音とは違う感じにはなってしまいますが、音楽ソースによっては ラバーエッジと
ウレタンエッジの組み合わせであっても良い音に鳴ってくれます。
DSLも使い方によって十分楽しめるかと思います。
最後に。。
小口径スピーカーによる低音の限界とパッシブラジエーターとの組み合わせによるアコーステック3D・・・
AIWAの技術者は大変苦労して このCS-J88を作り上げたのだと思います。
反則的な音を作ってみましたが、やはりこの時代のラジカセの音には懐かしいような
温かいような・・・そんな魅力があると思います。
しかし、現在生産ラインから出てくるラジカセの音にはちっとも魅力を感じません。
RC-M90やMarantzの6300のような音は出せなくても、AIWAの技術結集のラジカセなんだと思います。

CS-J88のスピーカーエッジ交換後の
音質比較レポート パートA

まず、両側の14センチスピーカーですが やはりラバーエッジよりもウレタンエッジの方が、自然な音になる様子です。
これはあくまでも個人的な意見かもしれませんが、ラバーの場合ですとボイスコイルの振幅とエッジの振幅に
差がありすぎるのかもしれません。

ボイスコイルの振幅よりエッジの方が振幅に余裕が有る為かコーン紙が入力に対して異常なくらい振動する為
無駄に動きが遅くなり次の入力に対して正確な動きができずに歪みっぽくなってしまう様子でした。

意図的に振動を抑えてあげる工夫が必要です。めいいっぱい吸音材を入れた状態なら
多少エンクロージャー自体が負荷となる為バランスが変わります。

どちらにしても、音量を上げてしまうとスピーカーよりもアンプの駆動力不足の為、音のバランスも悪くなってしまいます。

CS-80で気持ちよく聴けるくらいの音量ならJ88のラバーエッジバージョンでも迫力のある音で聴くことができます。
今度は、ウレタンエッジですがウレタンエッジであっても単体をボディに取り付け、パッシブラジエーター無しで
聴いてみると 非常にバランスの悪い音になってしまいます。 ある程度の負荷が必要なのだと思いました。

さらに、社外品のスピーカー及びパッシブの代わりに16センチスピーカーを取り付けた音を聴かせてもらった時、
DSLがあまり効かなかった事を不思議に思っていました。厳密には効いていても感じにくかった・・という表現が
正しいのかもしれません。 

16センチスピーカーもちゃんと振動していたのにもかかわらず、前に出てくる様な低音は出てくれない。
やはり、両側スピーカーの振動を利用して そのコーン紙の後ろ側から出る音を前に出してあげないと
バランスが悪いのだと考えました。
次に、今回の最終テーマであったパッシブラジエーターの動きです。
今回はオリジナルの音に近い音を目指す為、両側のスピーカーはウレタンエッジのスピーカーにウレタンエッジの
パッシブラジエーターにて実験致しました。

@ パッシブラジエーターの後ろに何も貼らない。
A パッシブラジエーターの後ろにコルクシート(2ミリ厚)を貼った場合。
B パッシブラジエーターの後ろにウレタンシート(10ミリ厚)を貼った場合。
パッシブにコルクシートを貼り付けた写真。
パッシブ表面と丸く切ったウレタンシート。
パッシブ後ろ面と丸く切ったウレタンシート。
(この時のパッシブには何も貼り付いておりません)
ウレタンシートを横から見た所。
ウレタンシートをパッシブに貼り付けた状態。
ウレタンシート付きのパッシブを本体に取り付けた状態。
何も貼らない状態では、スピーカーの振動をダイレクトに伝えてしまい、エッジの振幅限界を超えてしまう為
音量を上げていくと聴くに絶えられない音になってしまします。

次に コルクシートを貼り付けた場合ですが、こちらも ある程度までの音量ならそれなりの音で
聴くことができますが、音源や曲調によっては聴きづらい音になってしまいます。
両側のスピーカーの振幅の限界を迎える前にパッシブラジエーターの音が歪んでしまう感じです。

最後にウレタンシートですが、こちらはなかなかバランスの良い音で鳴ってくれました。
オリジナルにウレタンシートが貼ってあったのには理由があったのではないかと思われます。
パッシブラジエーターが振動する際、後ろ側にウレタンシートがあることによって振動時の空圧的な
負荷になるのではないかと思います。
また、ウレタンシートがパッシブラジエーターの防振になる為か、音に締まりがでるように感じました。

参考までに、J77と聴き比べをしてみましたが 16センチスピーカーを装備したJ77よりも重厚な音が出ます。

もちろんアンプ出力や造りの差もあるかと思いますが、その差は歴然です。
やはりJ88は シリーズ最高機種なのだと思い知ることができました。
そもそも、このCS-J○○シリーズの音創りは似ています。

J88の音が凄く良いかと言うとそうではない様な気がします。
もちろん音の好み等もあるかと思いますが、同じAIWAなら CS-80の方がバランスも良いと思いますし、
繊細な音・・・という面でもCS-80の方が上なのではないかと思われます。

なんとなく寂しい結論の様な気も致しますが、こんどは電源改良による音でしょうか。。
しかし、それはJ88だけではなく他のラジカセにも適用される事でしょうから、
今回でJ88は完結いたしたいと思います。


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