ミラーカセットの自作

2015年10月13日作成開始 2021年1月29日更新
 

テープパス調整とミラーカセットについて
(2015年11月13日)
テープ走行の機構部の調整は最初に必要な作業です。
大切なテストテープを痛めてしまわないためにも、最初に必要な作業がテープパス調整です。
ミラーカセットは、テープがカールしたり蛇行していないかを確認するために必要な治具です。
2ヘッドなどの場合は、カセットテープを加工しただけでも可能です。
一例として、カセットハーフの一部を切り取る加工だけで出来る調整用カセットテープです。

次の例として3ヘッドデッキで、クローズドループ・デュアルキャプスタン方式などはさらに複雑になります。

それぞれのヘッドの傾きの調整箇所が増えます。
別の例として、ヘッドアライメントゲージを使用して調整してから、ミラーカセットを使う事もあります。

テープパス調整は大切な作業です。
現在は、業務用のミラーカセットは市販されていません。
そこで、現在入手できるカセットテープを加工して自作をしてみます。
加工方法と材料を、これから研究していきます。
出来る限り綺麗に加工をして、ある程度量産できるようにしてみたいと思います。
現在入手できるカセットテープの構造を調べる

maxell UR 30分 ハーフに文字が印刷されています。

maxell UR 30分 ハーフに印刷されているのでスリップシートは透明です

SONY HF 90分 スリップシートに文字が印刷されています。

SONY HF 90分 ハーフは透明です。

maxell UL 10分 スリップシートに文字が印刷されています。
maxell ULのハーフは透明で、SONY HFと同じハーフです。
maxell UL 10分テープには、遮磁板ありと遮磁板無しがあります。
2013年購入時は、遮磁板ありました。
最近、遮磁板がない事に気が付きました。
2015年の SONY HF とmaxell UR に、遮磁板があるのか無いのかは
まだ確認出来ていません。

遮磁板がある方は、テープパットが遮磁板で固定されています。
遮磁板が無い方は、テープパットがピンで固定されています。
遮磁板ありと無しでは、ハーフの構造が少し違いがあります。
販売終了したTDK AEも、遮磁板の無い構造でした。

maxell UL 10分 遮磁板あり 2013年購入

maxell UL 10分 遮磁板あり 2013年購入 

maxell UL 10分 遮磁板無し 2015年購入

maxell UL 10分 遮磁板無し 2015年購入

maxell UL 10分 遮磁板あり 2013年購入

maxell ULmaxell UL 10分 遮磁板あり 2013年購入

maxell UL 10分 遮磁板無し 2015年購入

maxell UL 10分 遮磁板無し 2015年購入

maxell UR 20分 2013年購入 遮磁板あり

maxell UR 30分 2013年購入 遮磁板あり

maxell UR 90分 2013年購入 遮磁板あり

maxell UL 60分 2013年購入 遮磁板あり

maxell UL 90分 2015年購入 遮磁板無し
2015年購入のmaxell UL 90分は、遮磁板なしでした。
2013年購入の10分と60分は、遮磁板がありました。
最近、遮磁板無しになったようです。

遮磁板無しのハーフの方が、テープパットありと無しの両方が
作れるので大変都合がよいです。
テープの時間と巻き幅

10分テープ

20分テープ

30分テープ

60分テープ

90分テープ
ミラーを組み込んだ場合、テープをそのまま使えるのは
10分と20分と30分です。
60分と90分は、ミラー取り付け位置にテープが入ってしまいます。
20分と30分があるのは、maxell UR だけです。
maxell URの20分と30分の遮磁板については、まだ確認していません。
遮磁板ありのハーフの場合は、
テープパットを使用しないミラーカセットが製作できます。

出来れば、テープの厚みが薄い90分を使用したいのですが、
そのままでは使用できません。
90分テープの半分だと入りそうです。
90分テープを切れば使用できると思います。

リーダーテープとハブの接続部

リーダーテープと磁気テープとの接続部

オープンリール用のスプライシングテープ
通常はテープを繋ぐために、スプライシングテープを使用します。
スプライシングテープは貴重なので、使用しない方法を考えます。
切った磁気テープをハブに直接取り付けます。
リーダーテープを使用しないで、ハブに直接取り付けると
リーダーテープ使用時に比べて強度が落ちます。
早送りなどのテープエンドでの衝撃で切れやすくなります。
テープは23分ほどあるので、最後まで巻き取らないように
注意をして使用する必要があります。
残ったテープは保管して、次に使用することができます。

テープエンドのリーダーテープを使用する場合は、
スプライシングテープの代わりのテープでつなぎます。
その場合、切り取ったテープは使用できなくなります。

90分テープを半分に切ると、スリップシートの印刷された時間と
違ってきます。
時間表示の文字の位置に、ハーフの表面と裏面というシールを
作って貼ってみるのも良いか思います。
SONY製のミラーカセットテープ MC-112C
写真提供 アトリエ4R様
SONY製のミラーカセットテープ MC-112C
このテープを参考に製作してみます。
実際に使用しているところでのアドバイスを参考にしてみました。
・テープのコストは安いほうがよい。
・テープ交換時は、取り扱いやすい短いテープで良い。
・テープパットは無い方が見やすい。

これらのアドバイスと製作コストと作業を考えると、
maxell UL 10分 遮磁板無し を使用して製作します。
maxell UL 10分 遮磁板無し では、テープパットのありと無しの
両方が製作できます。
加工する個所

A面表側

赤い色の範囲は、A面表側の穴をあける個所

A面ハーフの裏側
 

赤い色の範囲は、A面ハーフの裏側の削り取る個所
穴あけ部分と重複しています。

B面ハーフの裏側

赤い色の範囲は、B面ハーフの裏側の削り取る個所
削る実験
(2015年10月23日)

使用できなくなったAEのハーフで削る実験をしました。A面表

A面表の窓を開けただけの状態。

A面裏側の窓を開けただけの状態。

A面裏側の窓を開けただけの状態。

A面裏側の中を削った状態

B面裏側の中を削った状態。
maxell UL 10分テープの試作1本目
(2015年10月24日)

maxell UL A面表、窓を開けたばかりの状態。

maxell UL A面裏、窓を開けたばかりの状態。

maxell UL B面裏、削ったばかりの状態。

maxell UL A面裏、削った断面を研磨した状態。

maxell UL B面裏、削った断面を研磨した状態。

maxell UL B面裏に、ミラーを仮止め。

仮止めしたミラーの位置では、矢印の部部を削らないとA面のハーフを
閉じられません。ハーフの強度が落ちますが削ってみます。

スリップシートとテープをセットします。
テープパットを付けた状態です。

A面のハーフを取り付けた状態。

テープパットを外した状態。

GX-Z9100に入れた状態。ミラーの位置が上過ぎるようです。

ミラーをヘッド側へ、ギリギリまで近づけました。

GX-Z9100に入れた状態。少し見やすくなりました。

GX-Z6100に入れた状態。一応見ることが出来ました。

TC-D5Mは、良く見えます。
TDK AE とmaxell ULのハーフ構造が違うので、
練習と試作をまだ重ねたほうが良さそうです。

1mm厚の日本製ミラーを使用しています。
ガラスのカットも、練習が必要です。

もう少し試作と実験をしていきます。
ミラーの種類
(2015年11月1日)
試作1本目に使用したミラーは、
1ミリ厚のガラス製です。
写真をみると分かりますが、
ミラーの端はガラスの厚みが見えます。
通常のガラスミラーは、
ガラスの裏に真空蒸着法(アルミ蒸着)で製作されています。
ミラーをミラーカセットに使用する場合、
ヘッドに出来るだけ反射面を近づけ方が見やすくなるようです。
そのため裏面反射のミラーは、できるだけ薄いものを使用します。
入手のしやすい厚さは、通常2ミリ厚ですが1ミリ厚も入手可能です。
もっと薄いものは、オーダーメイドになり割高になります。
試作1本目が完成した翌日に、
SONY製のミラーカセットテープ MC-112Cと比較させてもらいました。
まず、窓の開口部を比較してみました。
横幅はほぼ同じで、縦幅が自作の方がヘッド側に少し幅がありました。
ミラーの取り付け位置と角度はほぼ同じでした。
メーカー製の構造をじっくりと観察しました。
メーカー製のハーフは、専用の型で出来ています。
ミラーは、厚みが見えなかったので表面反射鏡のようです。

試作1本目に使用したガラスミラーの厚みです。
真空蒸着法による金属反射鏡の反射率は、73%〜86%だそうです。
銀引き鏡だけの反射率は最大95%になるそうで、
真空蒸着法と比較すると明るく見えます。 

今回使用したガラス切りが、5〜12ミリ用でしたので、
うまくカット出来なかったのかもしれません。
薄板用を使用すると、軽く傷を入れられて綺麗にカットできるそうです。
ガラス切りも厚みによって、刃先など角度が違います。 

0.5ミリ厚の樹脂ミラーです。
樹脂はポリカーボネート製、アルミ蒸着メッキ仕上げです。

1ミリ厚の樹脂ミラーです。
樹脂は塩化ビニールです。

0.5ミリ厚の樹脂ミラーです。
表面反射鏡で、樹脂は塩化ビニールです。
カッターやハサミで切ることが出来る樹脂ミラーを用意しました。
ポリカーボネートは塩化ビ二ールより固いです。
0.5ミリの厚みは変形しやすく、平面を保つのが難しいです。
1ミリ厚の方が扱いやすそうです。
樹脂ミラーの欠点は、薄いほどゆがみやすくて傷がつきやすいです。
樹脂の種類や厚みによって映り方が変わります。
表面反射鏡は、反射面にコーティングがされている光学機器用は
大変高価になります。
コーティングの無いものは傷がつきやすいので、
取扱を慎重にしないといけないですが比較的価格は安くなります。

まず、この3種類のミラーを使用して比較してみます。
0.5ミリ厚は、平面を出すための板を添える工夫が必要かと思います。

結果によっては、ガラス製の1ミリ厚表面反射鏡を用意してみます。
薄板用のガラス切りも必要です。
ミラーのカットした断面と、映り方の比較
(2015年11月11日)

ポリカーボネート製ミラーと塩ビ製ミラーのために、
ブラ板用カッターと大型カッターを用意しました。

1〜3ミリ薄板ガラス用ガラスカッターを用意しました。
 

0.5ミリ厚ポリカーボネート製ミラーは、大型カッターでは
少し切りずらかったのでブラ板用カッターで切りました。

このポリカーボネート製ミラーは粘着タイプです。
裏面にはくり紙が貼ってありますので、裏面から切ってみました。

1ミリ厚の塩化ビニール樹脂ミラーです。
両面に保護シートが貼ってあります。

透明の保護シート側が、塩化ビニール樹脂側です。
青色の保護シート側が、鏡面側です。

透明保護シート側から、ブラ板用カッターで切りました。

青色の保護シート側です。鏡面はラミネート構造みたいです。

青色の保護シート側から、大型カッターで切りました。
ポリカーボネート製ミラーは堅いのですが、
保護シートがないので傷がつきやすいです。

1ミリ厚塩化ビニール樹脂ミラーは、
大型カッターの方が切った断面が綺麗なようです。
ブラ板用カッターで切ると、保護シートがはがれやすいようです。
大型カッターは切れるまで時間がかかります。
反射面側はラミネート構造みたいで、
ポリカーボネート製ミラーとは少し傷の付きやすさが違うようです。

0.5ミリ厚塩化ビニール樹脂ミラーの表面反射鏡は、
大型カッターで切りました。

反射面は保護シートが貼ってあります。
保護シート面から大型カッターで切りました。

1ミリ厚ガラスミラーを、薄板用ガラス切りで切りました。
手前が1回目の切った断面です。

手前が2回目の切った断面です。
コツがわかってきました。

プリント基板などがカットできる卓上カッターです。
最大寸法200ミリまでなので、30センチ幅の樹脂板が入りません。

1ミリ厚の塩化ビニール樹脂ミラーを、
横幅サイズに青色の保護シート側から大型カッターで切りました。

ミラーの縦幅にセットして切ります。

真っすぐで直角に綺麗に簡単切れます。

PCBカッターを使用してみます。

付属のガイドが短いので、ガイドを一工夫してみます。

なかなか直角に切るのが難しいですが、まあ綺麗にカットできます。
 

PCBカッターは小型のため正確に直角に切るには、
もうひと工夫必要です。

1ミリ厚の塩化ビニール樹脂ミラーの反射面側です。
青色保護シート側

1ミリ厚の塩化ビニール樹脂ミラーの塩化ビニール樹脂側です。
透明保護シート側

0.5ミリ厚塩化ビニール樹脂ミラーの表面反射鏡の表面反射面。

表面反射鏡の裏側の反射面。

0.5ミリ厚ポリカーネート製ミラーです。

1ミリ厚ガラスミラーです。
●カットのしやすさ●